商標権の効力について
商標登録出願をし、特許庁の審査を経て登録査定となった後、登録料を納付すると、商標登録原簿に設定の登録がなされます。これにより商標権が発生します。
商標権を取得した商標権者は、主に二つの効力(メリット)を有します。
1.独占権 その登録商標を指定商品・役務に独占的に使用することができる権利。
2.排他権 他者の使用を排除する権利。
商標権者は、その登録商標を指定商品・役務に独占的に使用することができます。
また、権原なき第三者が、指定商品等またはこれに類似する商標等に、登録商標またはこれに類似する商標等を使用していた場合、商標権者は、差止請求権(商標法36条)、損害賠償請求権(民法709条)、不当利得返還請求権(民法703条等)、信用回復の措置請求権(準特106条)などの権利行使をすることができます。
この他にも商標登録のメリット は数多くあります。
一方で、商標権の効力が及ばない範囲は、以下の通り規定されています。
第26条(商標権の効力が及ばない範囲)
商標権の効力は、次に掲げる商標(他の商標の一部となつているものを含む。)には、及ばない。
①号
自己の肖像又は自己の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を普通に用いられる方法で表示する商標
②号
当該指定商品若しくはこれに類似する商品の普通名称、産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、数量、形状(包装の形状を含む。次号において同じ。)、価格若しくは生産若しくは使用の方法若しくは時期又は当該指定商品に類似する役務の普通名称、提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、数量、態様、価格若しくは提供の方法若しくは時期を普通に用いられる方法で表示する商標
③号
当該指定役務若しくはこれに類似する役務の普通名称、提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、数量、態様、価格若しくは提供の方法若しくは時期又は当該指定役務に類似する商品の普通名称、産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、数量、形状、価格若しくは生産若しくは使用の方法若しくは時期を普通に用いられる方法で表示する商標
④号
当該指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について慣用されている商標
⑤号
商品又は商品の包装の形状であつて、その商品又は商品の包装の機能を確保するために不可欠な立体的形状のみからなる商標
2項 前項第一号の規定は、商標権の設定の登録があつた後、不正競争の目的で、自己の肖像又は自己の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を用いた場合は、適用しない。
指定商品・指定役務 に関するサイトなども、ご覧ください。
自己の商標権を侵害する者に対しては、権利行使をすることができます。例えば、商標の使用の差止を求めたり、損害賠償請求をしたりすることができます。詳しくは、商標権の侵害訴訟 について書かれているサイトをご覧ください。